『嵐を呼ぶ十八人』の吉田喜重がオリジナル・シナリオを執筆、監督したクライム・アクション。自己の映画哲学と通俗メロドラマを見事に融合させた傑作『秋津温泉』を経た吉田喜重が、初めて手掛けたアクション映画。アメリカで歌の修行を積みたいと願う青年が、資金調達のために偶然知り合った仲間と共に金庫破りを計画する姿を描く。竜夫は、有名歌手の世話に明け暮れるバンドボーイ。彼は、狐独と焦燥にかられ、アメリカに歌の修業に行きたいと思った。ある夜、竜夫は麻薬中毒の兄貴分・浅川タカシに出会った。タカシは、ソープランドに勤めるヤスエと元競輪選手の郷田を紹介し、ヤスエの勤めるソープランドの金庫破りに加わるよう脅迫した。犯行は、午前4時。犯行後の集合場所は、競輪室内練習場だった。部厚い札束が異様に光っていた。分け前をとりに来たヤスエは、3人が逃げる時、郷田の撃った弾が、警官を即死...