『忍びの者 伊賀屋敷』でコンビの直居欽哉と服部佳がシナリオを執筆し、『悪太郎伝 悪い星の下でも』の鈴木清順が監督した任侠ドラマ。昭和初期、東京深川の木場で、1人の男が戸塚組の親分岩松を刺した。この白狐の刺青をした男、白狐の鉄と異名をとる大和田組のヤクザ渡世、村上鉄太郎であった。鉄太郎は、堅気になることを条件に、大和田組組長の命令で岩松を刺したのだった。その足で鉄は、美術学校行きたさに仏具屋に修業にいっている弟健次を訪ねた。弟は、留守であった。帰途鉄は、大和田組の政吉に銃口をつきつけられ、あわやという時、帰ってきた健次がかけつけ、政吉の挙銃を奪い、政吉を射ち殺してしまった。鉄はまだ堅気の弟に傷がつくのを恐れて、自首しようとする健次をともなって、満州へ逃げようとしたが・・・。